おいしい燻製の作り方
■燻製作りはさほど難しいことではありません。楽しく作る時間さえあればどなたにでも作ることができます。
ベーコン、ヤマメ&ニジマス、牛タン、ホタテ、カツオ、チキン、さんま&サバなどのスモーククッキングをご紹介しています。
ぜひ手作りの贅沢と自分好みの味にチャレンジしてみて下さい!
〇燻製の種類
燻製と一言にいっても煙をかける時間や、スモーカー内の温度によって、
冷燻法、温燻法、熱燻法の3種類に分けられます。下ごしらえや塩漬けのやり方も製法ごとに違います。
◆冷燻法
スモーカー内の温度を15~20℃に保ち、長時間燻煙する方法です。
素材の水分を取り除くので、1か月以上の保存が可能ですが、仕上がりは少々硬くなります。
生の状態で食べたい場合は、香りづけ程度に30分~2時間燻煙します。
スモーカー内の温度を低く保つため、気温の高い季節は避けなければなりません。
例:生ハム・スモークサーモン
◆温燻法
30~80℃で、2~5時間燻煙します。
季節を問わず、比較的短時間で作れるため、魚・肉共に最も一般的で、手軽に行える方法といえます。
50%以上も水分が残り、ソフトで風味豊かな燻製ができあがります。保存性はあまりよくありませんが、
真空包装をして冷蔵庫に入れてお けば、ある程度の保存は可能です。
例:ベーコン・ロースハム・ニジマスの燻製
◆熱燻法
90~140℃で、10~30分ほどで燻煙処理をしてしまう一番手軽な燻製法です。
仕上がりの色調、香りともすぐれた燻製ですが、保存性が悪いので、調理したらすぐ食べるつもりで作った方がよいでしょう。
例:ステーキなど中華鍋のようなスモーカーでガスレンジなどの上で行う燻製
〇燻製づくりの手順
燻製づくりの行程は、
下ごしらえ (調理)
↓
塩漬け (味付け)
↓
塩抜き
↓
乾 燥
↓
燻 煙
という手順で進みます。
1.下ごしらえ
燻製を成功させるためには魚・肉とも新鮮であることが大切です。
魚は内蔵、エラ、血あいを取り除き良く洗います。
肉は余分な脂肪や小骨を取り整形します。
2.塩漬け (味つけ)
魚や肉等に塩・砂糖・香辛料を良くまぜ 合わせ漬け込みます。
塩漬けは調味と同時に、材料の水分を抜き保存性を高めます。
方法は ※ふり塩(乾塩法)と たて塩(ソミュール法)の2種類があり、材料や燻製方法によって使い分けます。
3.塩抜き・洗浄
流水で余分な塩分や香辛料の汚れを落とし て味を均一にします。
塩抜きの時間は材料や塩漬け時間によって違いますが、3~6時間が目安です。
実際に一部分を切って味見をするなどして加減します。
4.乾 燥
塩抜きを終えた材料は風通しのよいところで乾燥させます。
乾燥の目安は表面の水分がなくなり、表皮が乾燥していれば十分です。
外気が20℃以上になったら冷蔵庫で乾燥させて下さい。
5.燻 煙
スモークウッドやスモークチップに火をつけて煙を出し、色と香りをつけて保存性を高めます。
燻煙時間は材料や燻製の方法によって違いますが、ポイントは徐々に温度を上げて乾燥しながら煙をかけることです。
※2通りの塩漬け法(味つけ)
1)乾塩法
原料の3%前後の量の塩に砂糖や香辛料を入れ、良くまぜ合わせてから直接まぶして塩漬けします。
場所を取らず便利な塩漬け方法です。
2)ソミュール液法
水に約30%の塩と砂糖や香辛料を入れて煮立て、2~3分間沸騰したら火を止めます。
自然に冷ましてからガーゼ等でこして漬けこみます。